オータムコンファレンス
進化経済学会静岡大会(静岡大学)・オータムカンファレンスのご案内
今現在、世界は私たちが経験したことのないコロナ禍に直面しています。これまでの暮らし方、経済の仕組み、社会のあり方、働き方、政治の役割などに大きな変化の波が押し寄せ、現状への対応とアフター・コロナ時代に向けて現代資本主義の変容が活発に議論されています。とりわけ、人の移動や経済活動の幅、そして生活空間の劇的な変化を受けて、国家に対する各地域の自律的な対応や政策がより注目されるようになり、地域単位の主体性が改めて問われてきています。
しかしながら、これまでの現代資本主義において、地域は国家を投影したかのような、国民的論理に制約づけられた社会経済的領域として位置づけられてきました。さらに、グローバリゼーションの進展は、社会経済システムの世界と生活空間を乖離させ、制度設計は国家によって担われ、地域は生活する場という空間における役割分担を加速させました。その結果として、政治や経済の機能はますます日本の中心としての大都市に集中され、地方から都市への人口移動は加速し、都市と地方の格差、さらには大都市に近い地方とそうでない地方の地域間格差が進みました。しかしその原因を、単なる国家レベルにおける政策的設計のみに帰することできるでしょうか。むしろ、地域を一つの社会経済システムの単位として捉え、地域がそれ自体の制度を設計し、全体としてのメカニズムを生み出す能力の問題としても理解することができます。
グローバリゼーションの下で国による制度的影響力が問い直され、地域が自立的領域としての構築を求められる今日、各地域は地方にとって普遍的な問題とそれぞれに固有の問題を解決するために、多様な制度設計が必要とされています。そのためにも、現代資本主義の変容という文脈において、地域の変容あるいは進化を学術的および政策的にどのようにデザインすることができるのか、2020年度のオータムカンファレンスでは研究者視点だけではなく、政策立案者としての行政的視点をも含めて、多角的な観点から議論を深めていきたいと思います。
今年度の全国大会およびオータムカンファレンスはオンライン開催(Zoom)で開催されます。コロナ禍の状況次第では開催方法などに関して変更も予想されますが、多くの会員のご参加をお待ちしております。
静岡大会実行委員会:遠山弘徳(静岡大学)、横田宏樹(静岡大学)
オータムカンファレンス
日時:2020年9月19日(土)
場所:オンライン開催(Zoom)
年次大会「現代資本主義の変容と地域の制度設計」
日時:2021年3月27〜28日
場所:静岡大学静岡キャンパス
第25回進化経済学会静岡大会オータムコンファレンス
テーマ「現代資本主義の変容と地域の制度設計」
日時:2020年9月19日(土)13:00〜17:00
場所:オンライン開催(Zoom)
司会:横田宏樹(静岡大学)
[プログラム]
開会の挨拶
13:00−13:05
山下啓道氏(静岡県経済産業部商工業局地域産業課)
「静岡県の地域産業の振興に向けた施策」
13:05 – 13:55
李皓氏(静岡大学情報学部行動情報学科)
「仮想市民個票の合成に基づく将来人口推定とシミュレーションによる社会経済システムのデザイン」
13:55 – 14:45
休憩
14:45 – 15:00
立見淳哉氏(大阪市立大学大学院経営学研究科)
「《豊穣化の経済》における地場産業製品への価値の再付与」
15:00 – 15:50
パネルディスカッション(質疑応答)
15:55 - 16:55
閉会の挨拶
16:55 - 17:00